若山牧水「朝の歌」
Kindle本「若山牧水大全」より、第9歌集「朝の歌」をタブレットで読みおえる。
先の11月30日の記事(←リンクしてある)にアップした、「砂丘」に継ぐ。
原著は、1916年(大正5年)、天弦堂書房・刊。273首。
写生ではないが、牧水が自然主義歌人と呼ばれる故が、わかるような作品が多い。初期の悲嘆調はない。
喫茶店へ一人で行き、タブレットより牧水歌集を読むのが、自慢がましい僕の楽しみである。
以下に7首を引く。
近山は紅葉さやかに遠つ山かすみかぎろひ相模はろばろ
下野の言すくななる友を思ひそが贈物鴨をわが煮る
浜に続く茅萱が原の冬枯に小松まじらひわが遊ぶところ
梅の花はつはつ咲けるきさらぎはものぞおちゐぬわれのこころに
遠松のこずゑに風は見ゆれども此処は日うらら妻よ息はな
曇り日のこころいぶせみうち出でて来しは山田の枯草の畔
帰る雁とほ空ひくく渡る見ゆ松島村は家まばらかに
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