梅崎春生「埋葬」「失われた男」「B島風物誌」
沖積舎「梅崎春生全集」第1巻(1984年・刊)より、「埋葬」「失われた男」「B島風物誌」を読みおえる。
前回に読了した3編は、昨年12月3日の記事(←リンクしてある)にアップした。
「埋葬」は、回想記風の小品である。
「失われた男」は、逃亡に至る兵士を描く。
「B島風物誌」は、のどかな題と異なって、ジャングルに逃げ込んだ1隊が、本部隊の命令のまま移動できず、次々に兵士が(主人公「おれ」を含めて)餓死する物語である。実体験より離れるが、軍隊の苛酷さは描かれた。誰にでもある飢えの記憶により、切迫感を伴って。
戦後の風潮に抗う心があったのかも知れない。
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