トラークル「夢のなかのセバスチャン」
青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、第2詩集「夢のなかのセバスチャン」(没後に刊行)を読みおえる。
彼の生前唯一の詩集「詩集」は、昨年12月15日の記事(←リンクしてある)で紹介した。
トラークル(1887年~1914年)は、文学活動をしながら、酒と麻薬に耽溺し、27歳でコカインの過剰摂取により、自殺したとされる。
彼の詩を愛した者に、彼の友人の他、ウィトゲンシュタイン、ハイデッガー、リルケがいる(Wikipediaに拠る)。
彼の詩の色彩語の多用は、僕の経験からすると、詩作の初期に表われ、のちに他の表現に吸収されるものだ。彼が後々まで色彩語を多用したのは、彼の27歳の若い死であっても、麻薬等の影響、家族関係の影が差している、と読むよりない。
第1次世界大戦という、世界の没落、を体現した詩人でもあったのだろう。
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