相生垣瓜人「微茫集」
角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、11番めの句集、相生垣瓜人「微茫集」を読みおえる。
今月3日の記事(←リンクしてある)、佐藤鬼房「夜の崖」に継ぐ。
原著は、1955年、近藤書店・刊。1941年までの「黄茅抄」91句、1948年よりの「白葦抄」343句を収める。
相生垣瓜人(あいおいがき・かじん、1898年~1985年)は、「ホトトギス」より「馬酔木」に投句し同人となり、俳誌「海坂」を共宰した。
当時、社会性俳句の盛んな時期、超然とした句境を示した。貧窮の句が戦後を思わせる。
以下に5句を引く。
稲負ひて闇に追はれて来しふたり
つゆじもの消ぬべき文字のかそかなる
か程まで枯れ急がねばならぬにや
離りゆく遠く一団の冬として
枯菊を焚くなり淡き火を期して
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