「トラークル全集 Ⅵ 遺稿」(3)
青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、第Ⅵ章遺稿の第3節「一九一二年―一九一四年」を紹介する。トラークルの25歳~27歳(没年)までの遺稿である。
第2節「一九〇九年―一九一二年」は、先の4月13日の記事(←リンクしてある。訂正あり)にアップした。
この第3節(章、節の呼び方は、僕の付けたもの)には、異稿を含め53編の詩を収める。
「(なんと暗いのだ、春の夜の雨の歌は)」を初め、ネガティヴな詩の多い中、「妹の庭 第二稿」のように優しい詩もある。
「(青い夜は ぼくたちの額の上に 優しく現れた)」のように、1編の内に悲嘆から救済への転調を示す作品もある。アルコール・薬物への依存の故か、若さの故か、僕にはわからない。
このあとの、「『詩集』『夢の中のセバスチャン』他 異稿」は、省こうと思う。発表稿と異稿を比較研究するいとまは、僕にない。
コメント