京都府在住の歌人・水原茜さんの第一歌集「パンセの森」を読みおえる。2003年、㈱生涯学習研究社・刊。
彼女は「NHK学園短歌友の会」、「詩情歌人会」に参加。
50歳代くらいの方らしいが、作品の感性は若く自由である。稲葉峯子さんの序文にある通り、「少女のような稚さを漂わせ」ている所もある。
気に入りの4首を引いてみる。
君はまだ挫折を知らぬ若き獅子伸びゆく雨後の雑草に似て
プルーストを抱えて歩けば少女期のままの春風かろやかに吹く
「とりあえず深呼吸して休もうか」正解のなき問いに独語す
くたびれているねと言えばゆったりとまばたき返す陽だまりの猫
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