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2008年9月14日 (日)

歌集「円型」

002  前川明人さんの第5歌集「円型」(2005年、本阿弥書店・刊)を読みおえる。

 彼は「未来」「幻桃」所属。当時、「長崎歌人会」相談役。第4歌集「空間」にて、「第18回長崎県文学賞」受賞。

 彼はかなり狷介な方のようだ。次のような歌がある。

毒舌者理不尽ものと言わば言え磨いて齧らん酸っぱいりんご

 ご自分では、次の歌のように、

反骨を持つことわびし縹渺の海ゆくヨットの傾きににて

と「反骨」だと納得しているようだが、そのような生き方はつらく、寂しいものだろう。その因は、17歳の夏の長崎被爆と、敗戦の経験(その翌21年から、彼は作歌を始めている)から来ているようだが。

 集中、僕の1番好きな歌は、次の1首である。

どこでどう食い違ったのか青空の雲を食べいる公園キリン

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