« 「水野九右衛門コレクション目録 Ⅲ」 | メイン | 詩誌「群青」第13号 »

2008年10月23日 (木)

狩野一男歌集「栗原」

004  狩野一男さんの第3歌集「栗原」(2008年10月、柊書房・刊)を読みおえる。

 題名は、彼の故里の地名より採ったものである。現代詩作家・荒川洋治さんの詩集に「針原」という地名より採った1冊があった事を思い出す。

 読了してまず思ったのは、彼はこんな、ざっくばらんな詠みかたをする人だったかな、ということである。もっと抒情的な詠みかたをする人だという観念があった。

 以下に3首を引く。

べつに世を捨つるならねどみみちのくの奥のとほくへやがてかへらむ

 このような思いを抱いて、大都会の生活に耐えている人が、少なくないだろう。ひらがなの多用が、ほのぼのとした郷愁を伝えている。

駅出でてただちに寒しさむければこころが弾みからだが躍る

 彼が寒さの厳しい地の出身ということもあろうが、僕も夏は嫌い冬が好き(おもに仕事に関わる)なので、共感できる1首である。

でこぼこで毛の無きあたまかなしくて帽子をそつと目深にかぶる

 大病をされたあとの、ユーモアというより、ペーソスのある1首だ。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/16823896

狩野一男歌集「栗原」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート