季刊同人歌誌「棧橋」№96を読みおえる。
巻頭は小山富貴子さんの96首詠「ご近所」である。
僕の「母が逝く」24首は、今年6月2日に亡くなった母への挽歌である。力のない僕には、これくらいしか手向けるものがない。
吉田美奈子さんの「青空乱す」12首に、とくに注目した。「心つつしむ」ありようが、よく表現されている。比喩の歌も多いが、無理がなく、突飛でもなく、なめらかである。心のストレスと、そのささやかな解消法に気づいている。
この1連に惹かれるのは、僕が近ごろ「もう少し自分を大事にしよう」などと、僕らしからぬ穏健路線を取り始めているからかも知れない。
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