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2009年6月 4日 (木)

村松和夫・歌集「畑つ守」

002 東京都・在住の歌人・村松和夫さんの第5歌集「畑つ守」を読みおえる。

 2004年、六法出版社・刊。

 歌集名の「畑つ守」は、木のリョウブ(令法)の別名であるという。

 著者は「アララギ」を経て、「未来」創刊参加、現在短歌集団「未踏」主宰。

 著作に、合同歌集を除き5冊の歌集と、9冊の短歌評論集がある。

 歌風は、「アララギ」の筋を引いて、堅実な作品が多いようだ。

 以下に、7首を引く。

流れみれば流れの中のいろくずをみれば沁みたるひと日が終る

吹雪く音聞きていたりき取り返しつかぬ思いもすでにありにき

出でて来し吾が前にEveの像ありて余光の中に立ちていたりき

ゆくりなく入り来し園に白き花ひとつばたごの花過ぎんとす

Paradise追われんとして傾ける像ありしかば吾立ちどまる

鍔広き夏の帽子も失せにけり何時までもわれの戦後がつづく

午後行きて話さんとする種ぐさに網代木のこと澪標のこと

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