片岡絢「ひかりの拍手」
東京都・在住の歌人・片岡絢さん(「コスモス」「棧橋」所属)が、第1歌集「ひかりの拍手」を送って下さった。
2009年10月付け・刊、柊書房・発行。
家庭では優しい娘さんなのに、世間へは体当たりでぶつかってゆく。
若さゆえの特権だろうか。駆け引きしたり、すり抜けしたりしない、純粋な性格ゆえだろうか。
時に、痛々しく思える作品がある。
おおまつ。さんが彼のブログ「something like that」(このブログのリンク集にあり)の9月23日付け記事で、親切で的確な評を載せている。
この歌集の上梓をステップに、彼女の短歌も生活も変わってゆくだろう。
以下に、この歌集より6首を引く。
しづかなる雑木林に入りゆけば光はふいに和音に変はる
夕焼けの丘に来てをりもう何もしたくないとふ願ひかがやく
いい男に騙されるならそれはそれ素晴しいことと母宣(のたま)ひき
帰り来て愚痴の止まらぬ我が前に母は置きたり天ぷらうどん
生きてゐるうちしか逢へぬ人ばかりゐるかなしさをどうすればいい
お客様そりやあねえだろなめんなよ、といふ気持ちはない(たまにある)
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