堀江敏幸の小説、「河岸忘日抄」を読みおえる。
新潮文庫、平成20年・刊。
読売文学賞・受賞。
彼は、長いモラトリアム期間のあと、作家として成功した、幸運な若者だった。
他の若者と違うところは、フランスに長く住んだらしい(虚構かもしれない)ことと、文学、音楽、美術などに教養があって、妙に老成していることである。
彼が、三島由紀夫賞、芥川賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞、木山捷平賞、読売文学賞、と数々の賞をうけながら、読者が今1つ増えないのは、上記のようなことが理由だろうか。
賞の選考者を含む歳嵩の者には好まれても、年下の若者にそれほど好かれないのではないか。
これは僕の、勝手な憶測だけれども。
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