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2009年11月 7日 (土)

堀江敏幸「河岸忘日抄」

003  堀江敏幸の小説、「河岸忘日抄」を読みおえる。

 新潮文庫、平成20年・刊。

 読売文学賞・受賞。

 彼は、長いモラトリアム期間のあと、作家として成功した、幸運な若者だった。

 他の若者と違うところは、フランスに長く住んだらしい(虚構かもしれない)ことと、文学、音楽、美術などに教養があって、妙に老成していることである。

 彼が、三島由紀夫賞、芥川賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞、木山捷平賞、読売文学賞、と数々の賞をうけながら、読者が今1つ増えないのは、上記のようなことが理由だろうか。

 賞の選考者を含む歳嵩の者には好まれても、年下の若者にそれほど好かれないのではないか。

 これは僕の、勝手な憶測だけれども。

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