有馬敲・詩集「白い闇」
白地社、1981年・刊。
箱、帯、箱と本体にパラカバ。(箱のパラカバは除去)。
この詩集は、129編のソネット(4行、4行、3行、3行、の4連の詩)の連作で、各作の初めに題はなく、ナンバーのみが打たれている。
作中の主人公(作者と少し違うかも知れない)は、職場で疎外感に悩み、退社後は酒場で倒れこむまで呑んで、憂さを晴らそうとする。
連作の後のほうでは、ドロップアウトしてしまったのか、故郷を訪ねる詩などが出てくる。
最近では文学者でも、無頼派、破滅型は認められないようだ。社会において自己を抑制するほうが人間らしい、という発言もある。勤勉・健康型の文学者の初めは、僕の知るかぎりでは、大江健三郎である。
コメント