香川県・在住の歌人・糸目玲子さん(「未来」所属)の第1歌集、「丹頂の笛」を読みおえる。
短歌研究社、2006年・刊。
中途半端に抽象化されたゾーンで詠まれた歌があって、快くてもあとに残らない。
お孫さんが生まれたあとに、優れた歌が多い。
素直なる心もどりぬ際やかに全き虹を見て立つ夕べ
そして、草木や小動物を詠って優れた1連、「わが生れ月」に至る。
フリージア、ろうばい、水仙、黄の色の匂うきさらぎわが生れ月
クロガネモチ食べ尽くされてゆわゆわと陽が射しており人住まぬ庭
剪定する夫のめぐりをヤマガラは去らず遊べり二時間がほど
メジロきてひよどりがきて鳩が来る百日紅の枝のくねくね
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