山川方夫「夏の葬列」
集英社文庫、1997年7刷。
彼は24~26歳ころ、戦後第3次「三田文学」の編集長として敏腕を振るい、当時まだ慶応大学の学生だった、坂上弘、江藤淳ら、多くの新人を発掘した。
彼はまた、「海岸公園」などの中編小説、「夏の葬列」「お守り」などのショート・ショートを書いたが、文学賞には恵まれなかった。
彼は1965年、34歳の若さで、交通事故に遭い亡くなった。
彼の友人たちの尽力があってだろう、1970年に冬樹社より、5巻本の全集が出版された。
慶応大学の文学仲間、田久保英夫が数々の文学賞を受けながら、没後に全集が出ていないことに比べると、山川方夫は幸運だった。
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