日野草城「青芝」
角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、5冊めの、日野草城の第2句集「青芝」を読みおえる。
原著は、昭和7年、京鹿子発行所・刊。
彼の句には、当時新しかったであろう語が登場する。
たとえば、「タイピスト」というOL、「ココア」という飲物、など。
この句集のあと彼は戦前の一時、新興俳句運動の先頭に立ったそうである。
以下に5句を引く。
一碗の佳き珈琲の惜む春
南座を出て春泥の四条あり
山の娘のすこやかにゆく躑躅かな
まなかひの白百合かをる小午餐(ランチ)かな
ふけて鳴く馬追を飼ふ隣かな
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