角川書店「増補 現代俳句大系」の第1巻(昭和56年・刊)より、最終16番めの句集「川端茅舎句集」を読みおえる。
原著は、昭和9年、玉藻社・刊。
彼は、兄の川端龍子に倣って画家を志した時期があり、白樺派「新しき村」の会員となってキリスト教、人道主義の洗礼を受け、のちには寺院生活や参禅など仏教に親しんだ。その求道的な姿勢から、「茅舎浄土」(中村草田男の言葉)と称揚される句境を開く。
彼の生は1897年~1941年、享年・43。
以下に5句を引く。
白露に薄薔薇色の土竜の掌
行楽の眼に柿丸し赤や黄や
湯ぶねより一くべたのむ時雨かな
漣の中に動かず蛙の目
飲食(おんじき)のうしとて昼寝びたりかな
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