俵万智「考える短歌 作る手ほどき、読む技術」を読みおえる。
新潮新書、2010年6刷。
まことに実戦的な8講である。
ただし彼女の添削例に疑問を感ずる歌が3首ばかりあった。
彼女は「ライトヴァース」を引きずっている(その事を批判するのではない)し、フィクションを拒まないから、フィクショナルなリアリティを求めるようだ。
雄弁よりも訥弁が説得力を持つ場合がある、という事が大衆文芸としての短歌の良さの1つだと思う。
啄木から文学に親しみ、「コスモス」に参加する前に「昭和万葉集」全21巻をほぼすべて読みおえていた者の、感じている事である。
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