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2010年11月23日 (火)

詩誌「アリゼ」第139号

001  兵庫県に在住の詩人・S陽子さんが、お便りを添えて、同人詩誌「アリゼ」第139号を送って下さった。

 自分の事だが、すべてのイデオロギーや社会問題(来たるべきユートピアを含めて)から、離れたくなった。定年を控えて、「守りの態勢」に入ったのかも知れない。

 そういう心でこの「アリゼ」を読むと、受ける感じも異なってくる。

 ファンタジー風や、リアリズムや、信仰に関わるものなど、それぞれの生活と心情から、真実を描こうとしている。

 T久美子さんの「繕う」(全4連、23行)が気に入りなので、第1連のみを引く。

    繕う

障子のやぶれは

さくらの花のかたちに切りぬいた障子紙でつくろわれる

まだ春も浅いのに

障子のさくらの花は満開

ものにこだわらない陽気な小母さんは

こどもたちの元気さと競うように

障子にさくらを咲かせていった

      (後略)

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