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2011年4月18日 (月)

松本たかし「鷹」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、3番めの句集、松本たかし「鷹」を読みおえる。

 原著は、昭和13年、龍星閣・刊。

 「鷹」は、松本たかしの第2句集であり、510句を収める。

 彼は能楽家の長男として生まれたが、病弱のため家を継がず、父や門弟の庇護を受け、定職を持たなかった。

 彼は時事句どころか、父の死も、結婚も句にしなかった。

 根本的に芸術派であり、耽美家であったとされる。

 以下に5句を引く。

かりそめの菊の根分に小半日

下萌の園ひろからずせまからず

春泥に映りてくるや町娘

行春や暗きもの行く海の面

崖紅葉濃ゆきにひたと御堂あり

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