川端茅舎「華厳」
角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、5番めの句集、長谷川素逝「砲車」を飛ばして、6番めの川端茅舎「華厳」を読みおえる。
原著は、昭和14年、龍星閣・刊。
高浜虚子の1行の序と、300句、著者の後記を付す。
茅舎は昭和6年から、脊椎カリエスでギプスベッドにあったが、昭和10年より散歩・旅行が可能になったものの、昭和15年以後は再び重病の床に就いた、と解説にある。
詩歌句は、世間的弱者の呟きという面がある(これは僕の見解)のだろう。
以下に5句を引く。
二三片鴉雷雨にうたれ飛び
栗の花舗装道路は野を縦に
掌に掬ふ陸稲の垂り穂軽きかな
暦売南無観音の扉かげ
鵙猛り柹祭壇のごとくなり
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