倉橋由美子の小説集、「婚約」を読みおえる。
新潮文庫、昭和49年7刷。
この本には、短編「鷲になった少年」「婚約」と、それらよりやや長い「どこにもない場所」の、3編が収められる。
彼女の「パルタイ」も「スミヤキストQの冒険」も読んだけれども、反左翼、ブルジョア的、知識人的、のイメージも薄れて、今はロマンチシズム的な印象だけが残る。
「どこにもない場所」では、なぜ生きるか、肉体と意識の乖離、(それに左翼の内情)などの問題を描いて、興深い。
それらは人生論、哲学、医学、などの本で論じられるべき問題かも知れないけれど。
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