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2011年12月 6日 (火)

東鷹女「魚の鰭」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第4巻(昭和56年・刊)より、4番めの句集、東鷹女(ひがし・たかじょ)「魚の鰭(うおのひれ)」を読みおえる。

 原著は、昭和16年、甲鳥書林・刊。

 自序、619句、後記を収める。

 句集は大きく3部に分かれ、3部は逆年順に置かれる。

 戦争吟が少し混じる。

 僕は初期の頃の作品に、秀句が多いように思う。

 のちに彼女は三橋鷹女を名乗り、全句集、全集も出版された。

 以下に5句を引く。

林枯れ白雲われを脅す

電工はかなしからずや天(あめ)灼くに

秋刀魚焼く憎しみは鋭き焔(ひ)に焼かれ

秋風裡兵への手紙書きつづく

蒲公英暮れ蟇暮れこころ哭いてゐる

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