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2011年12月 7日 (水)

有馬敲「終りのはじまり」

 有馬敲(ありま・たかし)氏の3部作詩集「転生記」より、第1部の「終りのはじまり」を読みおえる。117編のソネット集である。

 詩集「終りのはじまり」の発行が1973年で、1968年頃にさかんだった学生運動への共感と、その敗北後の挫折感を読み取れる作品がある。「ついに革命はできなかった」などの行がある。

 具象と抽象の交錯するゾーンで書かれるので、読み流してしまいそうになる。

 「32」を引く。

  終りのはじまり 32

     有馬敲


解きはなて

武装されたことばを

すきなくよろわれた思考を

素っ裸にせよ


きざな眼鏡もはずして

物にせまるのだ

ぎこちなくあごを張った

そののどぼとけを見よ


絶縁した裏がわから

みごとにそむかれて

いたずらに年をかさねたな


すべてを脱いで

生まれたときのかっこうになり

降りかかる水を浴びるのだ

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