詩誌「角」第24号
坂井市にお住まいの詩人・Nとしこさんが、同人詩誌「角(つの)」第24号を送って下さった。
2011年12月、角の会・刊。
K悦子さんの「生まれし命」は、生まれて5ヶ月近い嬰児の純粋な様と、めぐりの大人たちがあやし慈しむ様を描く。「健やかな生涯を願いながら/君が大人になるのを見届けられず/この世を去っていく者たちの/ちからも借りて」と結んでいる。
Nとしこさんの「リオン」は、「リオン」という花が初秋の頃に庭に咲くことを描きながら、若かった義母や、穏やかで寂しいくらいの境遇を浮かばせる。「田仕事に疲れて ほっと中庭で土盛りする/遠い日の 暮れの/細い気配が きこえてくる」と結ばれる。
散文では、Y清吉さんの「聞こえない耳に聴こえた音声(おんじょう)」と、Aセイドーさんの「事の始まり 6」など、人の悩みは尽きない、と感じさせる。
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