阪本越郎「貝殻の墓」
彌生書房「阪本越郎全詩集」(昭和46年・刊)より、詩集「貝殻の墓」と「貝殻の墓 拾遺」を読みおえる。
原著は、昭和8年、ボン書店・刊。
本編の「貝殻の墓」「軽井沢の蝶」の章は、1編4行の詩が19編続く。その他の詩も短く、終編の「対照」のみがやや長い。
ハイカラなウイット(機知)の詩編である。会話や俳歌でなら良いかも知れないが、詩(短詩ではあるが)においては、西欧異国風とはいえ、物足りない気がする。
以下に1編を引く。
幸福阪本越郎
バグダッド―――カイロ間飛行情報アンゴラ産の黒猫はもう流行(はや)らない
聖者たらずんば乞食たれ
いつまでも堅い翼の天使が翔んでいます
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