彌生書房「定本 阪本越郎全詩集」(昭和46年・刊)より、7番めの「益良夫」および「益良夫 拾遺」を読みおえる。
原著は、昭和18年、湯川弘文社・発行。
戦時下の作らしく、言葉がいきなり文語調になる。例えば冒頭の作品、「人生」は、次のように始まる。
なべて思ひ出の象嵌されし……
わが手をとりて泣きしひとを 母といひ
こまやかに笑みけるひとを 友とよぶ
5音7音の句も多い。モダニストが一変する衝撃を思う。
編註によれば、「挺身出動」「シンガポール陥落」「感泣の朝」など16編の詩が、「作者の遺志を尊重し、ここでは省略」されている。
写真は、記事と無関係。
ダウンロード・フォト集より。
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