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2012年5月13日 (日)

「耳ぶくろ」

Cimg6001 日本エッセイスト・クラブ編「’83年度版ベスト・エッセイ集 耳ぶくろ」を読みおえる。

 文春文庫、1986年・刊。

 単行本は、1982年に発表されたエッセイより、1983年に初年度のベスト・エッセイ集として、61編の作品を収めて、文藝春秋社より発行された。

 僕はこのシリーズの文庫本を、この初年度より20冊、所蔵している。

 「耳ぶくろ」は僕の予想では、内容だけでなく、しみじみ・ほのぼのした世界かと思っていたが、そうでもなくて、競争意識等があるのか、厳しい世界だった。

 功成り名遂げた人物の人生余談が多い。

 その中で、作家・宮原昭夫氏の「漁師料理の旅」が、のちにテレビでもたくさん取り上げられた「漁師飯」の美味を伝えて、先駆的である。

 もし世の中が、豊かで自由な世界を目指すなら、芸術はそれを先取りするものだろう。

 封建遺制の残った世界など、論外だろう。

 詩人の交わりは、室生犀星「我が愛する詩人の伝記」の、詩友や後輩との交わりを範とすべきで、僕は何回も読み返している。

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