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2012年5月14日 (月)

永井陽子「モーツァルトの電話帳」

 青幻舎「永井陽子全歌集」(2005年・刊)より、4番めの「モーツァルトの電話帳」を読みおえる。この全歌集は、1ページ最多5首で、とても読みやすい。

 原著は、1993年、河出書房新社・刊。

 180首と、エッセイ1編を収める。

 この歌集のユニークさは、1首の頭を50音順に、つまり電話帳と同じ構成の、配列にしている事である。もちろん意識して詠んだのであろう。

 ただし、言葉派≒芸術派的な作品のみではなく、ほぼ同じ時期に老母の介護という、リアル派≒生活派的な作品も創っていて、2年後の歌集「てまり唄」となる。

 「モーツァルトの電話帳」より、6首を引く。

秋の陽をかばんに詰めて帰り来るをとこひとりと暮らすもよけれ

風がリラを鳴らす太古のゆふぐれをおもひて地下の通路抜けたり

縦にむすび横にむすびてまたほどけ雲の遊戯は果てもなかりき

にはとりは昔はもっと小さかったよそして気ままに空を飛んだよ

窓に息吹きかけ月や星や木を描きつつこよひ老いゆくうさぎ

(わら)ひをるあの白雲め天と地のつっかひ棒をはづしてしまへ

Phm02_0760
写真は、記事と無関係。

君子蘭の花と思われる。

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