「’84年版ベスト・エッセイ集 午後おそい客」を読みおえる。
文春文庫、1987年・刊。53編を収録。
日本エッセイスト・クラブ・編。
今年5月13日のこのブログで、初の’83年版「耳ぶくろ」を紹介して以来である。
文筆や口説を職としない医師、科学者、俳優などに、僕の心惹かれる作品が多い。
肩書きに「エッセイスト」とある人の文章は、力みがはいるのか、おおむね宜しくない。
歌誌「コスモス」創刊者、宮柊二師のエッセイ「蜻蛉の細きは母の魂か」は、母を追慕する内容と共に、文末に(故人)と付されて、胸うたれる。
萬葉集学者でもある中西進氏の、夜学生を描いた「壊れた電球」も感動的である。
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