エッセイ集「中くらいの妻」
日本エッセイスト・クラブ編「’93年版 ベスト・エッセイ集 中くらいの妻」を読みおえる。
文春文庫、1996年・刊。62編を収める。
この9月3日に紹介した、「’92年版 明治のベース・ボール」に次ぐ本である。
このシリーズも、初めの「’83年版 耳ぶくろ」より紹介して来て、11冊めである。
エッセイの初出誌として、時どき「室内」と出てくる。ヤフーで調べると、工作舎・刊で50年間、木工・家具・インテリアのリーディングマガジンとして著名だったが、2006年に休刊した、とある。
上野恭一(うえの・きょういち、当時・上野胃腸科医院院長)の「妻の手」は、医院の職員など女性40名ばかりに還暦祝いパーティをされた時、余興で目隠しをして5人の手を握り、見事に妻の手を当てた、というエピソードを描く。末尾には「私は一番荒れている手を選んだのである」と種明かしして、感興を誘う。
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