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2012年10月 3日 (水)

春日井建「友の書」

 砂子屋書房「春日井建全歌集」(2010年・刊)より、第6歌集「友の書」を読みおえる。

 原著は、1999年、雁書館・刊。

 1987年~1996年(49歳~58歳)の作品、387首を収める。

 彼の壮年時代にあたり、また国内、外国で幾人かの友人に恵まれ、歌集の題名ともなった。

 また老いた母を詠んで優しい。

 以下に7首を引く。

近づける死を手なづけし算段も商人(あきうど)なれば巧みなりしよ

されど肉は悲し汀にうち伏して火照る躰をしづめかねゐつ

さなきだに虚無の光ると見てゐたりダイヤのピアスある彼の耳

いかなる神も持たぬ誇りとさびしさや青のモスクに額を伏すとも

これ以上衰へてならじと起き出でて母が散歩に行く坂の径

知りゐしは人の一部に過ぎざりし当然を強き雨叩きゐる

路上こそわが家と言ひし若き日の流竄を今にもてあましつつ

Phm02_0302
ダウンロード・フォト集より、紅葉の一枚を。

10月に入ったが、当地は今日も、夏日だった。

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