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2012年11月13日 (火)

石原吉郎「斧の思想」

 花神社「石原吉郎全詩集」(1976年・刊)より、3冊めの「斧の思想」を読みおえる。

 彼は「残り火・1」の冒頭「そのひとところだけ/ふみ消しておけ/そういう/ゆるしかたもある」と書いたが、モチーフであろうシベリア抑留が「許される」事ではなかった。ソ連が崩壊し、その理念も崩壊した。

 表題作の「斧の思想」では、「森が信じた思想を/斧もまた信じた/斧の刃をわたる/風もまた信じた」と語る。何にでも哲学はある。「斧の思想」が、シベリヤでの森林伐採使役を合理化しようとするものなら、のちの世代の僕らは、否定し得る。

 「背後」では、「打つものと/打たれるものが向きあうとき/左右は明確に/逆転する/わかったな それが/敵であるための必要にして/十分な条件だ」と書いて、敵対の原型を描いた。

 彼は詩を書き、許す事に拠って、許されたのだろうか、ソ連崩壊も知らずに。

Phm10_0496
ダウンロード・フォト集より、湖の1枚。

本文とは無関係。

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