長谷川素逝「暦日」
角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、12番めの句集、長谷川素逝(はせがわ・そせい)の、最終第6句集「暦日」を読みおえる。
原著は、昭和21年、宝書房・刊。
323句を、24節気の小題に分けて収める。
彼は、第1句集「砲車」の戦争吟で有名であり、この「大系」の第3巻に収められている。僕は、戦争における庶民の残虐さの表れとして、取り上げなかった。
彼は病んで帰還、「暦日」では自分の近い死を覚って、寂光のなかの句境であろうか。
以下に5句を引く。
円光を著て鴛鴦の目をつむり
春めくと障子をしめて机にもどる
木蓮のつぼみのひかり立ちそろふ
飛鳥路の秋はしづかに土塀の日
ぬきんでて八つ手の花の日なたあり
本文とは無関係。
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