石原吉郎「満月をしも」
一昨日に続き、石原吉郎の遺稿詩集「満月をしも」を読みおえる。
1978年、思潮社・刊、箱、帯補。
先の12月11日の記事で、購入報告した本である。
なお彼は、1977年に急死した。
彼をめぐっては、この帯にもあるように、「断念」とよく言われるけれども、内容やいきさつは、詩からのみではわかりにくい。
評論等も含めた、彼の3巻本全集が、花神社から出ているが、ネットの「日本の古本屋」で見ると数万円もの値がついて、僕にはとても買えない。
彼の作品に接すると、接しない人とは、人生が変わる、と複数の文学者が書いている。僕ももっと早く、彼の作品を読むべきだったのだろうか。
彼の短い詩「影」全文を引く。
影
あとへ曳くなら曳かせておけ
横へ曳いたら
横へ曳かせろ だが
その影に
「寂しい」とは
一と言も言わせるな
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