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2012年12月15日 (土)

石原吉郎「満月をしも」

Cimg6654 一昨日に続き、石原吉郎の遺稿詩集「満月をしも」を読みおえる。

 1978年、思潮社・刊、箱、帯補。

 先の12月11日の記事で、購入報告した本である。

 なお彼は、1977年に急死した。

 彼をめぐっては、この帯にもあるように、「断念」とよく言われるけれども、内容やいきさつは、詩からのみではわかりにくい。

 評論等も含めた、彼の3巻本全集が、花神社から出ているが、ネットの「日本の古本屋」で見ると数万円もの値がついて、僕にはとても買えない。

 彼の作品に接すると、接しない人とは、人生が変わる、と複数の文学者が書いている。僕ももっと早く、彼の作品を読むべきだったのだろうか。

 彼の短い詩「影」全文を引く。


  影


あとへ曳くなら

曳かせておけ

横へ曳いたら

横へ曳かせろ だが

その影に

「寂しい」とは

一と言も言わせるな

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