上村占魚「鮎」
角川書店「増補 現代俳句大系」第6巻(昭和56年・刊)より、2番めの句集、上村占魚(うえむら・せんぎょ、1920~1996)の第1句集、「鮎」を読みおえる。
原著は、昭和21年、笛発行所・刊。
高浜虚子・序、408句、松本たかし・跋、後記を収める。
昭和12年~20年の作品で、27歳時の句集である。
敗戦は彼にとって挫折であったろうし、機会として利用する気持ちは無かった、と僕は思う。
以下に5句を引く。
明日つかふ小銭もあらず春の徂く
卒業に下宿の荷物まとめけり
春燈に涙もふかずいましけり
風に解け日に解け雪の薄にごり
さくさくと麦を刈るなり運ぶなり
本文と無関係。
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