「歌壇」3月号
総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の、2013年3月号を読みおえる。
ただし散文で、読み通していない作が多い。
また「特集 アンソロジー二〇一二 テーマ別 私の一首 八〇〇氏」も1部人事テーマを除いて、読めなかった。
じっくり構えれば読めるかも知れないが、他の本を読めないし、次号の発売日も近づいている。
各歌壇の選者の方がたは、凄いなあ、と僕は思う。
4氏の「巻頭作品 二〇首」では、永田和宏「お母さん似」に惹かれた。以下に1首を引用する。
猫と娘とどちらが長く寝るのだろう見較べをりしがどちらも起きず
「第二十四回歌壇賞受賞第一作三十首」の服部真理子「雲雀、あるいは光の溺死」は、さすがに新しい。以下に1首を引く。
幻ではないのですから石鹸を取り落したらそれが死だから
言葉が既存の意味を失ってゆく、(バーチャル――仮想の意味を付与されている)とでも呼ぶしかない1首だろう。
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