原田マハ「夏を喪くす」
先の5月29日の記事(←リンクしてある)、「原田マハと囲碁年鑑」で入手を報せた、原田マハの文庫本2冊のうち、「夏を喪くす」を読みおえる。
4編の短編小説、「天国の蠅」「ごめん」「夏を喪(な)くす」「最後の晩餐」を収める。
最後の「最後の晩餐」の終え方には、僕は驚いた。不明人物を捜すミステリー的興味で読者を引っ張っておきながら、その人物は探索者自身だった、という終わり方だ。ストーリーに整合性(論理性、とは言わないが)が無い。読者を軽んじている(いくら執筆が忙しいとしても)。僕の読み方が正しいなら。
「その終わり方、アリ?」という小説が最近にあるらしい事は、読書ブログの幾つかの記事を読んで知っていたので、茫然とはしなかった。
「ごめん」には好感を持ち、「夏を喪くす」がそれに次ぐ。
「天国の蠅」は自伝っぽいが、作り話だろう。
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