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2013年8月 6日 (火)

入野ゆき江「清流」

Cimg7143 入野ゆき江さんの第1句集、「清流」を読みおえる。

 先の8月1日の記事で購入を報せた、4冊の内の1冊である。

 ふらんす堂、2010年・刊。箱、帯。

 彼女は俳誌「朝」(岡本眸・主宰)所属。

 岡本眸「お祝いの言葉」、330句、加瀬美代子・跋「慈愛のこころ」、「あとがき」を収める。

 彼女は夫婦でクリスチャンのようで、宗教の救いと文学の救いの折り合いが、僕には今一つわからない。

 句風は大胆である。

 以下に5句を引く。

黙々と栗むく夫の長寿眉

荒磯の風摑みたる春の鳶

滝水を生活に汲みて葛の花

パン種のふくらむ気配台風裡

白湯のみて動悸なだむる霜夜かな

 なお蛇足ながら註をつけると、1句めの「夫」は「つま」、2句めの「鳶」は「とび」、3句めの「生活」は「くらし」、5句めの「白湯」は「さゆ」と、読む事と思われる。俳句や短歌には、特殊な読み方をする語や、雅語がある。

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