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2013年9月29日 (日)

等々力亞紀子「透明に」

Cimg7247 「コスモス」の先達、等々力亞紀子さんの第2歌集、「透明に」(1978年、白玉書房・刊、コスモス叢書第116篇)を読みおえる。

 結婚してわずかで夫と死別し、一人息子は遠く働き、自分も一人働いて暮らした。心苦しい生活で、短歌が生きる力の1つになったであろう。

 出版にあたり、宮師がすべての作品(538首)に目を通し、題を選び、題簽を書いた、と「あとがき」にある。

 彼女は健康で、働く意欲もあり、また「コスモス」大会に参加するなど、頑張り屋で羨ましい。

 写真は、箱の表である。

 以下に7首を引く。

疾風(はやち)吹く夕べの街に買ひもてりグラジオラスとダリヤの球根

わがひとり働く事に變らねど子に會ひてより何かがちがふ

疲れては椅子にゐねむりしています構へなき顔みて了ひたり

歳晩の勤めをさめて乘りたれば疲れねむりき終着驛まで

四十日添ひたりしのみの夫にして把へがたなくわが裡に生く

耳さとく齒の勁きことたのみとしあきらめ惡く老にし向ふ

夜の刻に除籍謄本いだし見つ父も母もまた夫も亡ければ

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