八木絵馬「月暈」
角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、9番めの句集、八木絵馬(やぎ・えま)の「月暈(つきがさ)」を読みおえる。
原著は、1949年、七洋社・刊。
同巻では、先の9月7日の記事(←リンクしてある)、「定本亜浪句集」に継ぐ句集である。
1936年~1945年の約100句を四季別に、1946年~1948年の約200句を制作年順に収めて、敗戦を区切りにした所は潔い。
彼は臼田亜浪・門で、俳誌「石楠」で評論面でも活躍した、と解説は述べる。字余りの句が多い事が、僕は気になる。
以下に5句を引く。
橡咲けり人等疲れて笑ひやすく
春潮のたぎち寄せ来て鵜を翔たす
葉洩れ日の石階とぎれてはつゞく
囀りの湾に入り来て航をはる
叱咤せんとして咳き入りてしまひしか
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