日野草城「昨日の花」
沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、3番めの句集、「昨日の花」を読みおえる。
今月20日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「青芝」に継ぐものである。
原著は、1935年、龍星閣・刊。
自序詞、772句(全句集では改訂句を付して)を収める。
句集名には、無季、連作が始まり、主宰誌「旗艦」創刊に至る、過去への決別が暗示されているように思われる、と解題に述べられる。
以下に5句を引くが、評判になった句、晩年の自選「草城三百六十句」よりは、あえて選ばなかった。
杉山の霧の雨ふる薄羽織
炭をつぐひとのやさしき指を視る
安部川をつくりて妻の年忘
スケートや蹈みかはす足ゆるやかに
あらくさの茂れるなかへ帰省かな
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