日野草城「旦暮」
沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、第6句集「旦暮」を読みおえる。
今月16日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「第五句集(資料)」に継ぐ句集である。
原著は、1949年、星雲社・刊。自序、伊丹三樹彦・序、693句。
敗戦より句作活動を再開するが、胸部疾患のため、病床生活に入る。
以下に5句を引く。
山茶花やいくさに敗れたる国の
夕闇に忘れられたるごとく病む
平凡な日々のある日のきのこ飯
ひもじくておとなしき子や落椿
黒蠅が無為の胸板踏んづける
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