日野草城「人生の午後」
沖積舎「日野草城全句集」より、第7句集「人生の午後」を読みおえる。
先月27日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「旦暮」に継ぐ句集である。
原著は、1953年、青玄俳句会・刊。
妻への献辞、自序、鈴鹿野風呂・序、315句、五十嵐播水・跋を収める。
日野草城(1901~1956)は、肺疾患でほとんど病臥の生活(会社を休職、のち退職)の中で、俳誌「青玄」創刊・主宰し、句作、選句、文章(妻へ口述筆記)に励んだようだ。
病気は、抗生物質の注射もしたが、回復には至らなかったようだ。
以下に5句を引く。
試歩五十メートル往きて春惜む
病褥に四肢を横たへ離職せり
夏草や数へがたきは未知の友
生きてまた年を迎へぬ咳溢る
季節風いのちを庇ふ家軋む
ダウンロード・フォト集より、時季遅れかも知れないが、黄葉の1枚。
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