日野草城「銀(しろがね)」
沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、遺句集(第8句集)「銀(しろがね)」を読みおえる。
今月3日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「人生の午後」に継ぐ。
原著は、1956年、琅玕洞・刊。
1953年~1956年の265句、夫人の日野晏子の長い「あとがき」を収める。
夫人や一人娘の、俳人を支えた努力は讃えられるべきだが、娘婿・室生幸太郎の全句集編集も大事業だ。
以下に5句を引く。
元日の新しい顔で友ら来る
猫の子に舐めらる小さきぬくき舌
白粥のうす塩味や暑気中り
妻の顔いつも仰ぎて十とせ臥す
うしみつにわが咳き入りて妻子覚む (最後の句)
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