細谷源二「砂金帯」
角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第7巻(1981年・刊)より、12番めの句集、細谷源二「砂金帯」を読みおえる。
今月19日の記事で紹介した、川島彷徨子「榛の木」に継ぐものである。
原著は、1949年、北方俳句人支社・刊。
自序、「開拓」179句、「石狩川」142句、山田緑光・跋を収める。
細谷源二(ほそや・げんじ、1906年~1970年)は、12歳から職工生活に入り、プロレタリア文学に関わって、1941年の俳句弾圧事件で検挙された。敗戦1ヶ月前に、北海道の泥炭地に入植、3年間の困苦の中で句稿は書き継がれた。
以下に5句を引く。
母の衣を売るや寒光につらぬかれ
家まづしおゝ煌煌と夜の列車
妻も小さく歌をうたへりゆき解の日
誰も乏しくおりおり雪に眼をつむる
山に百合そうして農夫嫁が来て
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