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2014年1月19日 (日)

三木佳子「風にあずけて」

Cimg7499 「未来」所属の歌人・三木佳子(みき・よしこ)さんの第1歌集、「風にあずけて」を読みおえる。

 2008年、短歌研究社・刊。米田律子・跋。

 知覚過敏の痛みに耐えながら暮らして、妹の死去、同居する母の脳梗塞による不自由などに遭う。

 歌集の「あとがき」ではその母も亡くなったと書き、すでに父はいない。

 彼女は独身らしく、短歌を詠む・読む事が、そういう生活を越えてゆく、大きな力となるのだろう。

 以下に6首を引く。

鳩の群れ秋陽の屋根にまどろむを見つつ電車は地下に入りゆく

熊蟬は朝を待たずに啼きはじめ知覚過敏の吾をいたぶる

かんな月神のいぬ間をもう少し寄り道したい川の向こうへ

車椅子に母のかかぐるVサインふぶく桜と共に撮らるる

十五夜の月はまどかに中庭を跳ぬる仔猫ら声立てぬなり

肌色のヒガンバナ咲きこの世から消えてしまった妹を呼ぶ

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