原田種茅「径」
角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、5番めの句集、原田種茅「径」を読みおえる。
先月30日の記事(←リンクしてある)で紹介した、松村蒼石「寒鶯抄」に継ぐ句集である。
原著は、1950年、石楠社・刊。大正7年~昭和24年の、475句を収める。
原田種茅(はらだ・たねじ、1897年~1987年)は、「石楠」に加入後、臼田亜浪が没するまで約40年間師事し、没後に主宰したが、約2年間で廃刊となった。
彼の後進に対する親身な指導と情愛を慕い、兄事する者は多かったとされる。彼の句集は、この「径」1冊のみである。
以下に5句を引く。
本買へば砂触りある二月の夜
芦せまる径に行々子下りてゐる
枯原や雨に白きをまじへきぬ
見下すや紫雲英あふれて田をわかず
入学も近き遊びに紙せがむ
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