北原白秋「邪宗門」
岩波文庫「北原白秋詩集(上)」より、「邪宗門」を読みおえる。
安藤元雄・編、2007年1月・刊。
初版発行時に買った筈だから、7年待たせて読み始めた事になる。
「邪宗門」はこれまでに、日本文学全集の詩歌句集(1ページ2段組)で読んで来たように記憶する。文庫本とはいえ、1段組は余白が多くて、ゆったりしている。
室生犀星が「我が愛する詩人の伝記」の冒頭で、「邪宗門」を「ちんぷんかんぷん何を表象してあるのか解らなかった」と書いている。僕も雰囲気しかわからなかった。
何度めかに「邪宗門」を読んでみて、今度はわかったような気がする。
外来語を取り入れ、音数律を実験し、文法を守り、いわゆる南蛮情緒を醸す。まさに天才である。
(下)巻の解説に、初版は1909年とあるから、僕の脳力からすると、100余年先を行っていた事になる。
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